AIのビジネス活用|効率化で終わらせないために
AIをビジネスに活用する、と聞くと、作業が速くなる話を思い浮かべる人が多いです。速くなるのは良いことです。ただ、速くなっただけでは売上は動きません。
僕が最初にお伝えしたいのは、効率化と活用は別の話だということです。ここが混ざったまま道具を増やすと、忙しさだけが軽くなって、数字は去年と同じという状態になります。
この記事では、AIをビジネスのどこに置くのか、そして効率化で止まらないために何を見ればいいのかを整理します。
AIのビジネス活用が効率化で止まる理由
作業が速くなると、やった感じが強く残ります。1時間かかっていたものが20分で終われば、進んだ気持ちになります。ところが、その作業がそもそも売上につながっていなければ、速くなっても結果は変わりません。売れない物を早く作れるようになっただけ、という状態です。多くの人がここで止まります。原因は道具の使い方ではなく、どの作業を速くするかの選び方にあります。
効率化は使う時間を減らす話で、活用は入ってくるお金を増やす話です。速くする前に見るのは、その作業の先にお金が動く場所があるかどうかです。誰かの困りごとが片づいて、その対価を受け取る。この流れの上にある作業なら、速くする意味があります。流れの外にある作業は、いくら速くしても外のままです。
だから活用の話は、道具ではなく自分の商売の形から始めます。
ビジネスの中で、AIを置ける場所は決まっています
個人がネットで収入をつくるとき、道のりは大きく4つに分かれます。知ってもらうこと、連絡先を持たせてもらうこと、提案すること、受け取って届けることです。AIはこのどこにでも置けます。ただし、置く場所によって効き方が違います。前のほうでは量を助けてくれます。後ろのほうでは、言葉を整えたり、相手の状況をまとめたりする助けになります。
やってしまいがちなのは、いちばん手をつけやすい場所にだけ置くことです。文章を作る作業は始めやすいので、そこばかり速くなります。その一方で、提案の場が月に1回もない、という状態が続きます。これでは全体は動きません。道が1本につながって、はじめてお金が動くからです。
置き場所を考えるときは、その作業を毎週やっているかどうかも見ます。月に一度しか出てこない作業を速くしても、効き方は小さいままです。毎週くり返していて、しかもお金が動く流れの上にあるもの。そこが最初の置き場所になります。
自分は今どの場所が細いのか。ここを言えるかどうかで、AIの置き場所は決まります。

詰まっている場所は、数字で見つけます
感覚で決めると、たいてい自分の得意な場所を触ってしまいます。だから数字を並べます。目標にしたい売上、商品の値段、そこから逆算した成約の数、提案の場を何回持てばその成約になるのか、提案の場に来てもらうには何人に登録してもらう必要があるのか。この順で後ろから並べると、足りないものが1か所に絞られます。
登録してくれる人が少ないのか。登録はあるのに提案の場につながらないのか。話は聞いてもらえるのに決まらないのか。同じうまくいかないでも、場所が違えば打つ手が変わります。ここを分けずに、集客が足りないの一言でまとめてしまう人が多いです。
数字が出たら、いちばん細い場所にAIを置きます。順番が逆になると、道具ばかり増えていきます。
AIを入れても短くならない部分があります
人は手段を買っているのではなく、結果を手に入れるためにお金を払っています。ここは道具が増えても変わりません。だから、相手の話を聞いて、その人に本当に必要かを見極めて、進み方を示す。この部分は人の仕事として残ります。むしろ、前半が速くなるほど、ここに時間を回せます。
提案の場は、売る側が相手を見る場でもあります。とにかく数を売ろうとすると、必要性を分かっていない人が入ってきて、後のやり取りが増えます。ここをAIで短くしようとすると、後ろで時間が膨らみます。速くしていい場所と、時間をかけるべき場所は違います。
時間をかけたい場所は、もう1つあります。断る理由を先に片づける準備です。お金のこと、時間のこと、自分にできるのかという不安。ここに答えを用意しておかないと、中身が良くても決まりません。この準備は、相手の言葉を実際に聞いた人にしか書けません。

活用できているかは、回数で分かります
AIを入れた効果を、作業時間だけで測ると判断を誤ります。見るのは、提案の場を持てた回数です。入口に置く無料の相談や体験の場は、それ自体で利益を出すためのものではありません。提案する回数を増やすためのものです。回数が増えていないなら、速くなった時間は道の外で使われています。
回数が増えると、もう1つ良いことがあります。相手の言葉が集まることです。どんな言い方で悩みを話すのか、何が気になって決めきれないのか。これは自分の頭の中からは出てきません。集まった言葉は、次に作るものの材料になります。渡す材料が増えるほど、AIから返ってくるものも具体的になります。
効率化は入口です。回数と材料が増えて、はじめて活用と呼べます。
最初に見直す1つを決める
ここまでを踏まえて、手をつける場所を1つに絞ります。まず、自分の道のりを4つに分けて紙に書きます。次に、それぞれの数を思い出せる範囲で書き込みます。空欄になった場所が、いま測れていない場所です。測れていないものは直せません。
その上で、いちばん細い場所を1つだけ選びます。そこで人がやっている作業のうち、量が必要で、間違えても戻せるものをAIに渡します。全部を一度に変えようとすると、どれが効いたのか分からなくなります。1か所ずつ動かすほうが、結局は速いです。
動かしたら、変化を1か月ほど見ます。数字が動いたなら続け、動かなかったなら置き場所を変えます。これを繰り返すと、自分の商売のどこにAIが効くのかが分かってきます。人から聞いた話ではなく、自分の数字で分かるようになります。
AIのビジネス活用は、道具を増やす話ではありません。細くなっている場所を見つけて、そこに手を入れる話です。
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