AIで集客を自動化するとき、何が自動になるのか

AIで集客を自動化する、という言葉はよく見かけます。ただ、何が自動になるのかまで書かれていることは少ないです。

僕の答えを先に書きます。自動になるのは、毎回同じことを繰り返す部分だけです。相手に合わせて考える部分は残ります。ここを分けずに始めると、自動化したはずなのに手が空かない、という状態になります。

AIで集客を自動化しても、自動になるのは繰り返しの部分だけです

集客の作業を並べてみると、2つの種類が混ざっています。1つは、相手が誰であっても同じことをする作業です。登録してくれた人に案内を送る、予約が入ったら日時を確かめる、決まった時期に同じ内容を届ける。もう1つは、相手によって変わる作業です。何に困っているのかを聞き、その人に合った話をする。前者は自動にできます。後者はできません。自動化の話がかみ合わなくなるのは、この2つを集客という一言でまとめてしまうからです。まず自分の作業を、この2つに分けて書き出してみてください。思っているより、繰り返しの部分は多いはずです。

繰り返しの部分は、人がやっても質が上がりません。むしろ、疲れているときに抜けが出ます。ここは道具に任せたほうが安定します。

反対に、相手に合わせる部分は人がやるほど良くなります。任せる場所を取り違えないでください。

AIの自動化と、仕組みの自動化は別のものです

ここも混ざりやすい場所です。AIが速くするのは、作る作業です。案を出す、下書きを書く、言い換える。人の手が動く時間を短くしてくれます。一方、仕組みが自動にするのは、届ける作業です。登録した人に順番に案内が届く、予約の日時が押さえられる、前日に連絡が飛ぶ。こちらは、人が何もしなくても進みます。この2つは役割が別です。AIをいくら使っても、届ける道がなければ、作ったものは置きっぱなしになります。逆に道だけあっても、そこに流すものがなければ何も動きません。

だから順番としては、まず届ける道を1本作り、その道に流すものをAIで作る。こう考えると分かりやすくなります。

どちらか片方だけを指して自動化と呼ぶから、話が食い違うのです。

自動にならない部分があります

自動にならない部分があります

自動にならない部分は、大きく3つです。1つ目は、誰に向けるのかを決めることです。これは選ぶ作業なので、人が決めます。2つ目は、相手に合わせて考える場面です。話を聞き、その人の状況に合わせて提案するところは渡せません。3つ目は、出てきた内容が事実かどうかを確かめることです。AIは、もっともらしい形で間違えることがあります。そのまま出せば、責任を負うのは発信した本人です。自動にできるのは作業であって、判断ではありません。この線を引いておくと、どこまで任せるかで迷わなくなります。

判断まで渡してしまうと、何かがおかしくなったときに直せなくなります。自分で決めた形でないものは、直しようがないからです。

任せる範囲は、あとから広げられます。最初は狭くしておくほうが安全です。

もう1つ渡せないものがあります。何を届けるのかという中身の決定です。届ける道が自動で動くほど、中身の良さがそのまま結果に出ます。道が広いのに中身が薄いと、離れる人の数だけが増えていきます。

自動にすると、かえって人が離れる場所

全部を自動にすればいい、という話ではありません。自動にすると逆に働く場面があります。分かりやすいのは、相手が迷っているときです。決めかねている人に、決まりきった案内が同じ調子で届くと、気持ちは離れます。自分に向けられていないと分かるからです。もう1つは、相手が困りごとを打ち明けたときです。そこに返ってくるのが用意された文章だと、話す気がなくなります。人に来てほしい場面ほど、人が出るべきです。自動化は、その場面に自分の時間を回すためにやることだと考えてください。

だから、自動にする作業を選ぶ基準は1つになります。相手がそこにいることを意識する場面かどうか。意識しない場面なら自動でかまいません。

案内が届くこと自体は、自動でも失礼にはなりません。中身が自分に向いていないと感じたときに、人は離れます。

自動にする前に、一度は自分の手で回します

自動にする前に、一度は自分の手で回します

順番でよくある取り違えが、最初から自動で組もうとすることです。まだ形が決まっていないものを自動にすると、決まっていない状態がそのまま固まります。直すときに、どこを直せばいいのか分からなくなるのです。だから最初は手で回します。自分で書いて、自分で送り、自分で日程を決める。数回やると、毎回同じことをしている部分が見えてきます。そこが自動にする場所です。手で回した経験がないまま組んだ仕組みは、うまく動かなかったときに原因を追えません。遠回りに見えて、手で回すほうが早いです。

回してみると、想像と違う場所で人が止まることにも気づきます。案内の文が長すぎたり、登録の手間が多かったりします。こうした細かい詰まりは、やってみないと出てきません。

直してから自動にすれば、あとの作業がぐっと減ります。

どこから自動にしていくか

手をつける順番は、回数の多いところからです。毎日やっていること、毎回同じ文を送っていること、そのたびに日程を調整していること。回数が多く、中身が変わらない作業ほど、自動にした効果が大きく出ます。反対に、月に一度しかない作業を自動にしても、手間はあまり減りません。組む時間のほうが長くなることさえあります。1つ自動にしたら、そこで空いた時間を何に使うかまで決めてください。決めていないと、空いた時間は別の作業に吸われて消えます。

順番の目安をもう1つ書いておきます。相手を待たせている作業から先に自動にします。返事が翌日になっている、日程が決まるまで何往復もしている。待たせている場所は、放っておくとそのまま離れる理由になります。

AIで集客を自動化するというのは、放っておいても人が増える話ではありません。人と向き合う場面を増やすために、手前の繰り返しを機械へ渡すことです。

この見方でいれば、どこまで自動にするかで迷わなくなります。

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