プロンプトの書き方の例|同じ質問でも結果が変わる理由

プロンプトの書き方の例を探して、良さそうなものを見つけて、そのまま使ってみた。それなのに、紹介されていたような結果にはならなかった。よくある話です。

これは、あなたの入力が悪いわけでも、道具が壊れているわけでもありません。同じ文章を送っても結果が変わる理由が、いくつもあるからです。僕がここは分かれ目だと考えている順に、見ていきます。

プロンプトの例をそのまま使っても、同じ結果にならない理由

紹介されている例文は、その人の状況に合わせて作られたものです。書いた人が扱っている題材、想定していた読み手、その人が持っている前提。こうしたものが、文章の外側にあります。文章だけを持ってきても、外側は付いてきません。

料理のレシピに似ています。同じ手順書でも、使う材料と道具が違えば仕上がりは変わります。プロンプトも同じで、渡す材料が違えば結果は変わります。文章は手順書の部分でしかありません。

だから、例を集めるほど結果が良くなるわけではないのです。集めた数より、自分の状況をどれだけ渡せているかで決まります。ここを取り違えると、例文を探す時間だけが増えていきます。

もう1つ知っておきたいのは、1回の結果でその聞き方の良し悪しを決めないことです。同じ聞き方でも、返ってくる中身には幅があります。何度か試して、傾向で判断するほうが確かです。

同じ質問でも結果が変わる、いちばん大きな原因

結果を大きく動かしているのは、質問の言い回しではありません。質問する前に、こちらが何を決めているかです。誰に向けたものか、何のために使うのか、どこまでを求めているのか。ここが決まっている人と決まっていない人では、同じ質問文でも受け取れるものが変わります。

決まっていない状態で聞くと、返ってきたものを評価できません。良いのか悪いのか判断できないので、なんとなく違う気がする、で止まります。この状態が続くと、道具のせいにしたくなります。

逆に、決まっている人は、返ってきたものを見て、どこがずれているのかをすぐ言えます。言えるから直せます。この差が、そのまま結果の差になって出てきます。

決めていない人が悪いという話ではありません。決まっていない状態で聞くのも、使い方の1つです。ただしそのときは、答えをもらう目的ではなく、自分の考えを整える目的だと分けておくことです。

決めるのは長い文章でなくて構いません。相手が1人、目的が一言。これだけあれば、返ってきたものを評価できます。評価できると、次の一手が出てきます。

会話の流れが、次の答えを作っています

会話の流れが、次の答えを作っています

もう1つ見落とされやすいのが、それまでのやりとりです。同じ文章を送っても、その前に何を話していたかで返ってくるものは変わります。前の話を踏まえた答えになるからです。

これは便利な性質ですが、困る場面もあります。前半のやりとりで方向がずれていると、そのずれを引きずったまま先へ進みます。途中から急に噛み合わなくなったと感じたら、話を新しく始め直すほうが早いことがあります。

紹介されている例が効いていたのは、その前のやりとりがあったからかもしれません。切り取られた1文だけを見て、その効果を判断するのは難しいと考えておいてください。

逆に、この性質を使う手もあります。前半で状況をしっかり伝えておくと、後半の短い注文でも通るようになります。毎回ゼロから説明する手間が省ける、という意味では便利な仕組みです。

答えの幅が広い質問ほど、平均に寄っていきます

質問の広さも、結果を左右します。答えが何通りもある広い質問には、当たりさわりのない答えが返ってきます。どれを選んでも間違いではない場所を狙うからです。

狭くすると変わります。誰に向けて、どういう場面で、何を避けたいのか。この条件が付くほど、選べる答えは減り、返ってくるものは具体的になります。具体化は、聞き方の中でもっとも結果を動かす部分です。

広い質問には広い答えが返ってくる。これは道具の性能ではなく、質問の作り方の話です。手応えがないときは、質問の範囲を見直してみてください。

狭くする方向は3つあります。相手を絞る、場面を絞る、避けたいものを言う。このどれか1つを足すだけでも変わります。3つ全部を足すと、返ってくるものはかなり自分寄りになります。

例を探すときに見るべきなのは、文章ではなく要素

例を探すときに見るべきなのは、文章ではなく要素

それでも、人の例を見るのは役に立ちます。見る場所を変えればいいだけです。文章を写すのではなく、その中でどんな要素が渡されているかを見ます。目的が書かれているか、読み手が指定されているか、避けたいことが入っているか。

要素が見えるようになると、自分の題材に置き換えられます。置き換えて使ったものは、自分の状況に合っているので結果が変わります。写して使ったものは合わないので変わりません。差はここにあります。

僕がためておくとよいと思うのは、例文そのものではなく、効いていた要素です。数は少なくて構いません。自分の仕事でくり返し効いた要素が3つも見つかれば、たいていの場面で使えます。

要素で見る癖がつくと、人の例を読む時間が短くなります。全文を追わずに、渡されている材料だけを拾えるからです。読む量が減って、使える部分だけが手元に残ります。

例に頼らず、自分の質問を作れるようになるまで

最初のうちは、人の例を借りて始めて問題ありません。ゼロから作るのは難しいからです。ただし、借りたまま止まらないことです。借りたものを使ってみて、ずれた場所を自分の言葉で直していく。この作業が力になります。

直すたびに、自分が何を求めているかがはっきりしてきます。求めるものがはっきりすると、質問は短くなります。上達すると長くなるのではなく、むしろ短く済むようになります。

例を探している時間が長いと感じたら、いったん止めて、手元の1つで往復してみてください。例を10個読むより、1つを直しながら5回使うほうが、身につくのが早いです。

力がついたかどうかを見る目安があります。返ってきたものを見て、どこを直せばいいのかを自分の言葉で言えるかどうかです。言えるようになったら、人の例はもう要りません。

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