プロンプトの書き方のコツ|長く書くより大事なこと

プロンプトの書き方のコツを探していると、条件をたくさん並べた長い例が目につきます。真似して長く書いてみたのに、返ってくるものはあまり変わらなかった。そんな経験はないでしょうか。

僕の考えでは、長さと結果は比例しません。むしろ、長く書いたせいで伝わらなくなることもあります。ここでは、量ではなく中身の面から、効くコツを整理していきます。

プロンプトの書き方のコツは、長さではありません

長く書けば伝わる、という考え方はどこから来たのでしょうか。おそらく、情報が多いほど親切だという感覚からです。人が相手なら、これは正しい場面もあります。ですがAIに対しては、量が増えるほど中心がぼやけることがあります。

指示の中に条件が20個あるとします。すべてを同じ強さで守るのは難しく、どれかが薄まります。しかもどれが薄まるかは、こちらでは選べません。結果として、大事な条件が抜けた答えが返ってきます。

だから、まず考えるべきは、増やすことではなく絞ることです。この指示でいちばん外せないものは何か。そこを決めてから書き始めると、短くても通る指示になります。

短く書くと不安になる人もいます。伝わらないのではないか、という不安です。ですが、足りなければ返ってきたものを見てすぐ分かります。分かってから足せばいいので、最初から詰め込む必要はありません。

長さの目安を聞かれることがありますが、決まった正解はありません。目的と条件が抜けていなければ、数行でも通ります。大事なのは行数ではなく、抜けがないことです。

長いのに伝わらない指示に共通していること

長い指示を見せてもらうと、共通点があります。似た意味の注文が何度も出てくることです。分かりやすく、読みやすく、易しい言葉で。書いた本人は念を押しているつもりでも、受け取る側には同じ話が並んでいるだけです。

もう1つの共通点は、目的と条件が混ざっていることです。何のために作るのかという話と、文字数や語尾の話が同じ列に並んでいます。読む側からすると、どれが方向でどれが体裁なのか分かりません。

直し方は簡単です。書いたあとに読み返して、同じ意味の行をまとめる。そして、方向の話と体裁の話を分けて置く。これだけで、長さは変わらなくても通り方が変わります。

もう1つ見かけるのが、他人の型を切り貼りして長くなった指示です。別々の目的で作られた部分が混ざっているので、中で言っていることが食い違うことがあります。食い違いに気づかないまま使うと、結果が安定しません。

1つの指示に、目的は1つだけにする

1つの指示に、目的は1つだけにする

僕が効くと考えているコツを1つ挙げるなら、これです。1回の指示に目的を複数入れない。案を出させながら、同時に文章に整えさせて、さらに要約もさせる。こうした欲張った頼み方をすると、どれも中途半端になります。

人に頼むときも同じです。3つの仕事を同時に渡せば、優先順位を相手に委ねることになります。仕上がりが期待とずれるのは、頼み方の問題です。

やることが複数あるなら、分けて渡してください。案を出す、選ぶ、形にする、直す。この工程を分けると、どこで噛み合わなかったのかも見えます。まとめて頼むほど、どこで失敗したのか分からなくなります。

目的を1つに絞ると、良し悪しの判断も早くなります。見る場所が1つだからです。複数の目的が混ざったものは、どこを見て判断すればいいのか分かりません。判断できないものは、直せません。

情報を足すより、判断の材料を渡す

足すべき情報と、足さなくていい情報があります。足して効くのは、AIが判断に迷う場所を埋める材料です。読み手がどんな状態か、何を避けたいのか、似たものと何を変えたいのか。この種類の情報は結果を動かします。

反対に、背景の説明を長々と書いても、答えはあまり変わりません。あなたの経緯を細かく伝えても、それが判断の分かれ目に関係していなければ、ただの文字数です。

迷ったら、自分に聞いてみてください。この一文が無かったら、返ってくるものは変わるだろうか。変わらないと思う行は、外していい行です。この見直しをすると、指示は短く、鋭くなります。

判断の材料として強いのは、避けたいものの具体例です。こうはしたくない、という形を1つ示すと、その方向を外してくれます。良い例より、悪い例のほうが伝わることもあります。

見本を1つ渡すほうが、説明を10行足すより早い

見本を1つ渡すほうが、説明を10行足すより早い

言葉で説明しづらいものは、見本を見せるほうが早いです。こういう雰囲気で、こういう並びで、という感覚は、文章にすると長くなります。近いものを1つ渡して、この形に寄せてほしいと言えば済みます。

これは、自分が良いと思ったものを普段からためておくと使える方法です。良い構成、良い並べ方を集めておき、参考として渡す。ゼロから言葉で説明するより、はるかに手数が減ります。

ただし、他人の文章をそのまま写して使うのは別の問題になります。渡すのは形や並びの参考としてで、中身は自分のものに置き換える。ここは線を引いておいてください。

見本を渡すときは、どこを真似てほしいのかも一言添えてください。並びなのか、語りの調子なのか、細かさの度合いなのか。添えないと、全部を真似ようとして、中身まで寄っていきます。

自分用の型を育てていくという考え方

最後に、続けるためのコツです。うまくいった指示は、その場で消さずに残しておきます。同じ種類の作業は、また来ます。そのときにゼロから考えないで済むと、使う回数が増えます。

残すときは、丸ごと保存するより、効いた部分だけを取り出すほうが役立ちます。この一行を入れたら答えが変わった、という部分です。それが、あなたの仕事に合った型になっていきます。

世の中に出回っている型をそのまま使っても、しっくり来ないことが多いです。目的が違うからです。人の型を借りて始め、自分の仕事に合わせて削っていく。この育て方のほうが、長く効きます。

型がたまってくると、作業の時間が読めるようになります。この種類ならこのくらいで終わる、という感覚です。時間が読めると、AIに渡す作業と自分でやる作業を分けやすくなります。

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