脱サラはやめとけと言われる理由と、それでも動く人

脱サラを考えていることを誰かに話すと、やめとけと返ってくることがあります。その言葉に反発したくなる人もいれば、揺れてしまう人もいると思います。

僕は、この言葉を無視しないほうがいいと考えています。中身を見ると、もっともな心配が入っているからです。この記事では、その中身を整理したうえで、それでも動く人が何を違う形で進めているのかを書きます。

「脱サラはやめとけ」には、もっともな中身が入っています

やめとけという言葉は、感情から出ているように聞こえます。ただ、たいていは経験や見聞きしたことが下敷きになっています。会社を出た人が苦しくなる場面を、どこかで見ているわけです。

反発だけで押し返すと、その中身を受け取り損ねます。むしろ、何を心配して言っているのかを聞いたほうが役に立ちます。心配の中身が分かれば、そこに手を打てるからです。打てるようになれば、その心配は理由ではなくなります。

逆に、心配の中身を確かめないまま動くと、同じ場所でつまずきます。言われたことが当たっていた、という結末は、聞かなかったから起きることもあります。反対されたから引き返すのではなく、反対の理由を材料にします。この受け取り方が、いちばん損が少ないです。

言葉の裏にある3つの心配

やめとけの中身を分けると、だいたい3つに落ち着きます。1つ目は、収入が毎月同じ日に同じ額入る状態ではなくなること。2つ目は、会社に所属していることを前提にした仕組みが世の中にあること。3つ目は、一度出たら同じ場所には戻りにくいのではないか、という心配です。

  • 収入の入り方が変わること
  • 所属していることを前提にした場面があること
  • 戻る道が細くなるのではないかという不安

この3つは、どれも当たっている面があります。特に1つ目は、生活に直接ひびきます。会社員のときは、働いた月と入る月がずれていても気になりません。個人になると、その間の生活費を自分で持つことになります。ここを軽く見ていると、始めて数か月で気持ちが折れます。

ただ、3つとも、事前に手を打てないものではありません。収入の入り方は、辞める前に細い道を通しておけば少し変わります。手続きの場面は、時期をずらすことで避けられるものもあります。心配を消すのではなく、順番を変えることで小さくできる、という見方をしてみてください。

言っている人が、どこから見ているのかを確かめる

言っている人が、どこから見ているのかを確かめる

もう1つ大事なのは、誰が言っているのかです。会社の外で収入を作った経験がある人の言葉と、そうでない人の言葉では、意味が違います。どちらが正しいという話ではなく、見えている景色が違うということです。

経験がある人の言葉は、たいてい具体的です。どこで詰まったか、何を用意しておけばよかったかまで話してくれます。この話は材料になります。一方で、経験がない人の言葉は、多くの場合あなたを心配する気持ちから出ています。気持ちはありがたいのですが、進め方の判断材料にはなりにくいです。

ですから、やめとけと言われたら、なぜそう思うのかを一度聞いてみてください。答えが具体的なら、そこにヒントがあります。答えが漠然としているなら、それは心配の表現です。どちらなのかを分けるだけで、受け取り方が変わります。

逆の言葉にも、同じ見方が必要です。やったほうがいい、今すぐ動くべきだ、という後押しも、誰が言っているのかで意味が変わります。あなたが動くことで得をする立場の人なら、その言葉には別の理由が混ざっているかもしれません。止める言葉も、押す言葉も、いったん出どころを確かめてから受け取ります。この一手間が、あとで自分を守ります。

それでも動く人は、辞めることを目的にしていません

会社を出て前に進んでいる人を見ていると、辞めること自体を目標にしていません。やりたい形があって、その形を作るには外にいるほうが都合がいいから出た、という順番です。目的が先にあるので、辞めた後にやることが決まっています。

反対に、辞めることが目的になっていると、辞めた日が最高点になります。翌日から何をするかが決まっていないので、そこで止まります。自由になった時間の使い道を決めていないと、時間は自然には働いてくれません。

この違いは、辞める前の過ごし方に出ています。目的がある人は、会社にいるうちから手を動かし始めます。時間がないと言いながら、30分は作っています。ここができている人は、外に出ても同じように動けます。

小さく試してから決める、という進め方

小さく試してから決める、という進め方

やめとけと言われる進み方の代表が、全部を一度に変えることです。会社を出て、大きな設備をそろえて、そこから集め始める。うまくいけば早いのですが、外れたときの傷が深くなります。

試してから決める人は、逆です。小さく出して、反応を見て、直します。反応がなければ、何が違ったのかを考えてもう一度出します。この段階では、お金も時間もあまり使っていません。だから何度でも試せます。

試さずに大きく動くのは、うまくいくかどうかを運に預けるのと似ています。試す回数を増やせるかどうかが、進み方の差になります。会社にいる間は、この試す作業をいちばん安全にできる時期です。給料が入っているので、外れても生活は続きます。

試すというのは、大きな準備をすることではありません。困っている人に一度声をかけてみる、小さな形で受けてみる、その反応を書き残す。これだけです。何回か繰り返すと、反応が返ってくる言い方と、返ってこない言い方の差が見えてきます。この差は、考えているだけでは出てきません。

脱サラはやめとけと言われたときの、受け取り方

まとめると、受け取り方は3つです。まず、心配の中身を具体的に聞きます。次に、その中身に対して自分が何を用意できるかを書き出します。最後に、決める日を先に置いておきます。この3つをやると、言葉に振り回されにくくなります。

用意できないものが残ることもあります。そのときは、そこが今の自分の弱いところだと分かっただけで前進です。隠したまま進むより、見えている状態のほうが対処できます。すべての心配を消してから動く必要はありません。

脱サラはやめとけという言葉は、止めるための言葉として使われがちです。でも、材料として使うこともできます。何を心配されているのかを知り、そこを1つずつ埋めていきます。この作業を続けた人は、動くにしても残るにしても、自分で選んだ形になります。

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