脱サラの失敗に共通していること
脱サラして失敗した、という話は検索するとたくさん出てきます。読んでいると不安になりますが、目をそらす必要はないと思います。
うまくいかなくなるときには、いくつか似た形があります。能力の差というより、進め方の形の差だと僕は考えています。この記事では、その共通点を整理します。先に知っておけば、避けられるものもあります。
脱サラの失敗は、準備不足より順番のずれから起きます
失敗した理由を聞かれると、多くの人は準備が足りなかったと答えます。もっと勉強してから、もっと貯めてから始めればよかった、という言い方です。ただ、準備をいくら積んでも、順番がずれていれば同じところで止まります。
順番というのは、何を先に決めるかということです。個人がお金を受け取るまでには、知ってもらう、連絡先を持たせてもらう、提案する、受け取って届ける、という道があります。この道のどこから作るかで、進み方はまったく変わります。
止まる人の多くは、この道の後ろのほうから作り始めています。中身を完璧にしてから世に出そうとする形です。中身は大事なのですが、中身だけでは人は来ません。来ない状態で中身を磨き続けると、時間だけが減っていきます。準備が足りなかったのではなく、準備する場所が違っていた、というほうが近いです。
作ってから相手を探す、という順番
これがいちばんよく見かける形です。自分が作れるもの、やりたいことを先に決めて、それを買ってくれる人を後から探す。気持ちとしては自然なのですが、この順番だと相手が見つかりません。
人は、方法そのものにお金を払っているのではありません。自分の状況が変わることに払っています。だから、相手の困りごとを先に見ていないと、どれだけよくできたものでも刺さりません。よくできているのに売れない、という状態はここから生まれます。
逆の順番だと、話が早いです。困っている人がいて、その人の状態を聞いて、必要な形を作る。作るものは小さくてかまいません。相手がいる状態で作ったものは、少なくとも一人には届きます。一人に届いたものは、同じ悩みを持つ人にも届く可能性があります。ゼロと1の差は、1と10の差よりずっと大きいです。
ここでつまずく人の気持ちも分かります。まだ何も持っていない状態で人に聞くのは、気が引けるからです。ただ、相手は完成したものを見たいわけではありません。自分の困りごとを分かってくれる人を探しています。だから、聞くこと自体が価値になります。完成を待ってから聞くと、直せる時期を過ぎてしまいます。

収入の入口が1つしかない状態
会社を出た直後は、たいてい入口が1つです。前の会社からの仕事だけ、知り合いからの紹介だけ、という形です。これは悪いことではありません。むしろ最初はありがたい状態です。
問題は、その1つに慣れてしまうことです。入口が1つのままだと、その1つが止まった月に収入がゼロになります。しかも、こういう入口は自分ではなく相手の都合で止まります。相手の事情が変わっただけで、こちらの生活が変わってしまいます。
会社を出た人が抱える危うさは、収入が少ないことではなく、収入の理由を自分が持っていないことです。紹介が続いているうちに、知ってもらう仕組みを自分の側に作れるかどうか。ここが後の分かれ目になります。忙しいときほど手が回らない部分なので、意識して時間を取らないと後回しになります。
先に固定費を上げてしまう
始めるときに、事務所を借りる、機材をそろえる、人に頼む。どれも前に進んでいる感じがします。ただ、これらは毎月出ていくお金です。収入がまだ安定していない時期に固定費を上げると、判断が狂います。
毎月の支払いがあると、目の前の金額を優先せざるを得なくなります。そうすると、時間はかかるが後で効いてくる作業に手が回りません。道を作る作業はたいてい時間がかかるので、ここが止まると入口はいつまでも1つのままです。
初期にお金を使うなら、毎月出ていかない形にしておくほうが動きやすいです。使ったら終わりのものと、毎月続くもの。この2つを分けて考えるだけで、身軽さがかなり変わります。
もう1つ、見落としやすい固定費があります。自分の生活のほうです。収入が増えた月に生活の水準を上げると、下がった月に苦しくなります。会社員のときは毎月同じ額が入るので、この感覚が身についていません。個人になると入り方に波が出るので、いちばん少なかった月を基準に暮らすくらいでちょうどよくなります。

うまくいかない原因の場所を分けていない
数字が出ないとき、うまくいかない、の一言でまとめてしまう人が多いです。この状態だと、次に何を直せばいいのか決まりません。だから、とりあえず投稿を増やす、といった動き方になります。
原因は、道のどこかで切れています。見てくれる人が少ないのか、見てくれても連絡先を残してもらえないのか、話までは進むのに決まらないのか。この3つは、まったく別の問題です。直す場所も、直し方も違います。
分けるためには、数字を持っておく必要があります。何人が見て、何人が残って、何人と話したのか。細かい分析までは要りません。3か所の数だけ分かれば、詰まっている場所は見えます。ここを見ずに全部を頑張ると、体力が先に尽きます。
脱サラの失敗を避けるために、先に決めておくこと
ここまでの共通点は、どれも会社を出る前に手を打てるものです。だから、辞める前に3つ決めておくといいです。誰の、どんな困りごとを扱うのか。その人に知ってもらう入口をどこに作るのか。毎月出ていくお金をいくらまでにするのか。
そのうえで、小さく試します。全部を整えてから始めようとすると、始まる前に時間が過ぎます。小さく出して、反応を見て、直す。この繰り返しが、結局いちばん早いです。試さずに大きく作ると、外れたときの傷が深くなります。
脱サラの失敗という言葉は重く聞こえますが、中身を見ると、避けられる形をそのまま踏んでいることが多いです。順番を決めて、入口を増やして、固定費を抑えて、詰まっている場所を数字で見る。この4つを押さえておくだけで、進み方はずいぶん変わります。
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