コンテンツ販売とは|自分の中にあるものを商品にする話

コンテンツ販売という言葉を聞いて、情報を売る仕事、という説明で止まっている人が多いです。その説明では、何を作ればいいのかが見えてきません。

僕の答えはこうです。コンテンツ販売とは、自分が先に越えてきた場所を、これから越える人に渡すことです。売っているのは情報そのものではなく、その先にある変化です。ここが分かると、作るものの中身が変わります。

コンテンツ販売とは、先に越えた場所を渡すことです

人がお金を払うのは、今いる場所と、行きたい場所の間に距離があるときです。その距離を自分ひとりで詰めるのは、時間がかかります。どこから手をつければいいのか分からないからです。すでにその道を通った人がいれば、順番を教えてもらえます。この順番に、お金が動きます。

だから、コンテンツ販売で差し出すものは、知識の量ではありません。相手が今つまずいている場所から、望んでいる状態まで、どう進むのかという道筋です。同じ知識を持っていても、道筋として渡せる人と渡せない人がいます。この差が、商品になるかどうかの分かれ目です。

この見方に立つと、専門家である必要がないことも分かります。相手より少し先を歩いていれば、渡せるものはあります。むしろ、つまずいたばかりの人のほうが、どこで転ぶかをよく覚えているものです。

なぜ形のないものにお金が動くのか

手に取れないものを売ることに、抵抗を感じる人がいます。値打ちがあるのだろうか、と不安になる気持ちは分かります。ここは考え方をひっくり返してみてください。人がお金を払っているのは、物ではなく結果です。

体を変えたい人が高いお金を払うのは、動かし方の知識が欲しいからではありません。体重や体型が変わった自分になりたいからです。知識だけなら、探せばいくらでも出てきます。それでも払うのは、ひとりでは続かないからであり、順番が分からないからです。

売り物は手段ではなく、その先にある状態のほうです。ここを取り違えると、動画が何本ある、資料が何ページある、といった説明ばかりになります。量を並べても、相手の気持ちは動きません。多いほど良さそうに見えるのは、作った側の感覚です。受け取る側は、自分がどうなるのかだけを見ています。

何が商品になるのかは、自分では気づきにくいものです

何が商品になるのかは、自分では気づきにくいものです

自分の中に売れるものなんてない、という声をよく聞きます。ほとんどの場合、これは思い違いです。自分にとって当たり前になっていることほど、外からは見えにくいからです。すでにできるようになったことは、できなかった頃の感覚を忘れてしまいます。

探すときの目印は、人から聞かれたことです。どうやってるの、と聞かれた経験があるなら、そこには差があります。もう1つの目印は、自分が調べるのに時間をかけた場所です。時間をかけて分かったことは、同じところで止まっている人にとっての近道になります。

逆に、自分がやりたいことだけを並べて作ると、うまくいきません。差し出したいものと、求められているものが重なる場所にしか、お金は生まれないからです。ここは何度でも確かめる価値があります。周りの人が何に困っているのかを、思い込みではなく言葉で聞いてみてください。

情報を並べただけのものは、商品になりません

調べれば分かることをまとめただけのものは、売り物として弱いです。理由は単純で、同じものが無料で手に入るからです。ここに、作る側と買う側の感覚のずれがあります。作る側は、集めるのに時間がかかったことを知っています。買う側は、集める手間ではなく、その先を見ています。

では何を足すのか。あなたが実際に通ったときの判断です。どこで迷ったのか、なぜそちらを選んだのか、選ばなかったほうはどうなったのか。この部分は、調べても出てきません。同じ情報でも、通った人の判断が入ると別のものになります。

もう1つ足せるのは、順番です。何を先にやり、何を後回しにするか。情報がいくらあっても、順番が分からなければ人は動けません。並べるのではなく、進む道にする。この作業が、コンテンツ販売の中心にあります。

値段は、中身の量では決まりません

値段は、中身の量では決まりません

値段の付け方で悩む人は多いです。目安になるのは2つあります。1つは、そのジャンルでよく見かける金額です。相場から大きく外れると、高すぎても安すぎても選ばれにくくなります。もう1つは、受け取った人にどれだけの変化が起きるのかという見立てです。

後者のほうが大事です。同じ内容でも、相手が受け取る変化が大きければ、払える金額は変わります。だから値段を上げたいときに考えるのは、中身を増やすことではありません。誰に向けるかを変えるか、変化の中身を大きくするかのどちらかです。

安ければ喜ばれる、とも限りません。負担のない買い物は後回しにされやすく、結果として使われないまま終わります。払った人が動くからこそ、変化が起きます。値段は、相手の本気度を決める要素でもあるという見方を持っておいてください。

もう1つ。値段を決めるとき、自分がその金額を払えるかどうかで考える人がいます。基準は自分の財布ではありません。受け取る相手にとって、その先の変化と釣り合っているかどうかです。自分の感覚で決めると、いつまでも安いままになります。そして安いままだと、ひとりで抱えられる人数にも限りが出てきます。

最初につくるものは、小さくていい

いきなり大きなものを作ろうとすると、完成しません。全部そろえてから出そうとするほど、出す日は遠のきます。最初は、ひとつの困りごとに絞ってかまいません。狭いほど、相手は自分のことだと感じます。

大事なのは、出したあとに直すことです。使ってくれた人の反応が、次に足す部分を教えてくれます。ひとりで考えて完成させたものより、反応を見ながら直したもののほうが、結果的に良くなります。ここは順番の話です。作り込んでから出すのではなく、出してから育てます。

コンテンツ販売は、特別な才能が要る仕事ではありません。自分が越えてきた道を、後ろの人が歩けるように整える仕事です。まずは、自分が通ってきた道のどこに石があったかを思い出すところから始めてみてください。

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