ChatGPTの使い方のコツ|答えの質は聞き方で決まる

ChatGPTを使ってみたけれど、返ってくる答えが当たりさわりのない話ばかり。そう感じている人は多いです。ここには、はっきりした理由があります。答えの質は、聞き方の質から先には上がらないからです。

コツというと、うまい言い回しを覚える話に聞こえるかもしれません。僕が大事だと考えているのは、そこではありません。渡す材料と、自分が引き受ける判断。この2つの置き方で答えは変わります。

ChatGPTの答えの質は、聞き方で決まります

同じ質問を投げても、人によって返ってくる中身の濃さが違います。道具の性能が人ごとに変わるわけではありません。渡している情報の量が違うだけです。相手は、あなたが何をしていて、誰に向けて、どんな形で欲しいのかを知りません。

知らない相手に「良い感じにして」と頼めば、返ってくるのは平均的な答えになります。これは当然の結果です。逆に言えば、材料を足すだけで答えは変わります。特別な言い回しを覚えなくても、変えられる部分です。

ここを理解しないまま、質問の言葉づかいだけを直す人がいます。丁寧に頼んでも、材料が足りなければ結果は同じです。聞き方のコツとは、言葉の飾りではなく、渡す情報の設計だと考えてください。

もう1つ付け加えると、返ってくる答えの濃さは、あなたがその話をどれだけ考えてきたかも映します。考えてきた人は、渡せる材料を持っています。考えていない人は、渡すものがありません。ここは道具では埋められない部分です。

コツ1|相手はあなたの事情を何も知らない、という前提に立つ

まず持っておきたい前提です。あなたの仕事の内容も、相手にしている人も、これまでの経緯も、AIは知りません。人に頼むときは、相手が知っている分だけ説明を省けます。ここでは省けません。

省いた部分は、相手が勝手に埋めます。埋め方は世の中の平均です。だから、当たりさわりのない答えが返ってきます。薄いと感じたときは、自分が省いた場所を探してみてください。たいてい見つかります。

渡す材料として効くのは、状況、相手、目的、使う場所の4つです。この4つを短く添えるだけで、返ってくる中身は変わります。長く書く必要はありません。抜けを埋めることが大事です。

材料を渡すのが面倒だと感じるかもしれません。ですが、渡す作業は一度で済みます。同じ仕事を続けるなら、状況の説明は使い回せます。毎回ゼロから書く必要はないと思っておいてください。

コツ2|完成品を頼まず、案を出させて自分が選ぶ

コツ2|完成品を頼まず、案を出させて自分が選ぶ

もう1つのコツは、頼み方の形です。いきなり完成品を頼むと、出てきたものが自分の考えと違ったとき、直しどころが分からなくなります。案を並べさせて、自分が選ぶ形にするほうが扱いやすいです。

この形には利点が2つあります。1つは、選ぶ作業の中で、自分の判断の理由がはっきりすること。もう1つは、外れた案を見ることで、求めているものの輪郭が見えることです。人は、正解より不正解のほうが見分けやすいからです。

選ぶのは自分だ、という位置を守ってください。ここを渡してしまうと、出てきたものをそのまま使うだけになります。それでは、ほかの人が出したものと似た中身に落ち着きます。

案の数は、5つくらい出させると選びやすくなります。少ないと比べられず、多すぎると読む気が失せます。並べてみて、どれも違うと感じたときは、そこに理由があります。その理由が、次に渡す材料になります。

コツ3|良し悪しを自分で判断できないことは頼まない

これは少し厳しい話に聞こえるかもしれません。ですが、僕はここが大事だと考えています。出てきた答えの良し悪しを自分で判断できない分野では、AIを使っても前に進みません。良いか悪いかを決められないからです。

たとえば、まったく知らない分野の解説を書かせたとします。整った文章が返ってきますが、それが正しいのか、大事な部分が抜けていないのかを、あなたは判断できません。判断できないものは、そのまま使うしかなくなります。そこが危ない場所です。

AIは、あなたの判断を速くする道具であって、判断そのものの代わりにはなりません。知らない分野で使うなら、事実を確かめる手間を最初から作業に組み込んでおくことです。

コツ4|答えが薄いときは、聞き直すより材料を足す

コツ4|答えが薄いときは、聞き直すより材料を足す

薄い答えが返ってきたとき、多くの人は質問を言い換えます。言い換えても、渡した材料が同じなら、返ってくる中身も似たものになります。やることは言い換えではなく、足りない材料を渡すことです。

足す材料でよく効くのは、避けたいもの、外せない条件、想定している読み手の状態、この3つです。何をしてほしいかより、何をしてほしくないかを伝えるほうが、答えの幅が絞れることもあります。

それでも噛み合わないときは、自分の中で決まっていない可能性があります。伝えられないのは、言葉が下手だからではなく、まだ決めていないからです。その場合は、いったん手を止めて、目的を決め直すほうが早く終わります。

もう1つの手として、答えの前に質問を返してもらう形もあります。足りない情報があれば先に聞いてほしい、と伝えておく方法です。何を渡せばいいのか分からないときは、この形が助けになります。

この使い方のコツが効いてくるのは、どんな場面か

ここまでのコツは、あなたが答えを持っている場面ほど効きます。自分の仕事、自分が見てきた相手、自分が考えてきたこと。この領域では、渡せる材料が多く、良し悪しの判断もできます。

反対に、まったくの初対面の分野では、コツを覚えても伸びしろは小さいです。渡す材料がなく、判断もできないからです。使う場所を選ぶことも、使い方のうちに入ります。

使う場所を選ぶという話には、もう1つの意味もあります。自分の得意な領域で使うと、返ってきたものの粗さがすぐ見えます。粗さが見える状態で使い続けると、直す力も一緒に伸びていきます。

結局のところ、AIを使いこなす人とは、道具に詳しい人ではありません。自分が何を求めているかを言葉にできる人です。そこが整うほど、返ってくる答えは変わっていきます。

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